2014/06/18 08:01。

いきなりだが、父が他界した。

2014年6月18日午前8時1分、享年61歳。
死因は肝細胞癌。

札幌出身の田舎者で、特技はオーディオアンプの自作とスキー。
高校時代はアンプにのめり込んで成績不振に陥り、指導を受けたらしい。
新社会人の頃はサザンにどっぷりハマり、母がうんざりする程聴いていたとの事。
日曜は8時を過ぎないと起きてこない。朝食は決まってトースト。
バレーボールとモータースポーツのTV観戦が大好きで、私も幼少期からよく見せられていた。
愛読書はビッグコミックオリジナル。
ある時急にアニメにハマり、VおよびSEED以降のガンダムシリーズ、それと名探偵コナンを録画してまで毎週チェックしていた。
休日は自作スピーカでラジオを聴いている事が多く、杏子さんの番組をよく聴いていたからゲストで下川みくにが出演する時スタジオパークまで一緒に公開生放送を聴きに行った事もあった。
父の日にプレゼントしたiPod shuffleを散々こき下ろしていたくせに、気付いたら和室で正座してイヤフォンを耳にしていた。

私がGeocitiesでホームページを始めると知り、ひたすら反対していたのが父だった。
アナログには滅法強かったが、デジタル化の波には全く乗り切れていなかった。
そんな父が、ひっそりとこの世を去った。
気分的に随分落ち着いてきた時期だし、ひっそり死なれるのも正直癪なので、ここで全世界に晒してやろうと思い、このエントリをしたためている。

とにかく、不器用な父だった。
ロクな遺言も残そうとせず、最期の最期まで気遣いの人だった。
そんな父の事を好きだったかと問われても正直困る。
ただ、61歳なんて若さでこの世をあっさりと去った父に、はっきり言ってやりたい。

エレクトロニクスとスキーを除けば、アンタに負ける気はしないよ。

ずっとこのBlogでは言及するタイミングを逃してきたが、私はとっくに入籍しており、2歳半の娘。も居る。
父の遺品であるFull-HDディスプレイには、おそらく孫の為に録画したのであろうアンパンマンの録画データがごっそり残っていた。
こういう所が、とにかく不器用な人だった。

父は遺伝性のB型肝炎だった。
どうやら私が生まれた時期に発症したようなのだが、発症するまで祖母からは一言も告げられていなかったらしい。
そんな祖母を、母は明らかに恨んでいた。父がどうだったのかは知らん。
ただ、現在B型肝炎を患っている方は、くれぐれも無理をしないで欲しい。
父の場合も、若い頃無理をし過ぎたのが発症に至った要因だったらしい。
発症さえしなければ、もっと長生き出来た筈だったのに。

3月末には既に余命1カ月と告げられていた父は、若さ故の体力もあり、その後3カ月近く生き続けた。
完全に死滅した肝臓はおろか、脳腫瘍が悪化し、脳が半分死滅し、歩く事すらままならない状況だった。
そんな父を母は独りで介護し続けたのだが、‘気遣いの人’の本懐でなかった事は間違いない。
死にたいのに死ねない、そんな父の声を見舞いの度に聞かされてきた。何とも皮肉な最期だった。

6/18未明から高熱を出し、一時は41.7度まで達したのだと言う。
あの時、まさに父の生命は燃え尽きたのだろう。
何も事情を理解していない娘。は「じじちゃんおでかけしちゃったの」と今も走り回っている。
アンタがそっと灯した命の炎は、間違いなく僕達の心の中で生き続けるさ。

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