購入後既に2ヶ月程経ってしまったハイエンドA4スキャナ『GT X-700』であるが、G5の導入に伴いようやく本格稼働出来る運びとなった。USB2.0 & FireWire両対応という事で、新旧のハードウェアに対して柔軟な対応が出来るのが特徴。デザインについても巧くまとめられている感があり、4800dpi/16bit RGBというハイスペックも相まって、ハイアマチュアDTPの世界では‘ホームユーススキャナの完成形’とまで謳われた程である。
実際にはiBook環境において動作チェックを行なっていたのだが、G5 + Cinema Display環境で動作する事により、カラーキャリブレーションがかつてない高精度で行なえるようになった。実際に取り込みを行なってみると若干輝度が高いようにも思えるのだが、プリンタ出力時に色調がおとなしくなってしまうことを考えれば、これ位で丁度いいようにも感じられる。
さて、色々いじくり回してみた所ちょっとしたトラブルに遭遇。USB2.0環境で16bitフルカラースキャンを行なった所、読み込みが半分程度進行した時点で原因不明のスキャナダウン。結局TWAIN起動元であったPhotoshop CS諸共強制終了せざるを得なくなってしまったのだが、FireWire接続時にはこういったトラブルが発生しなかった事から、USBとFireWireの安定性の相違を強く感じさせられる結果となった。
そして、EPSON製ハイエンドスキャナに標準搭載されている『Digital ICE(TM)』についても動作チェック。同じ素材を通常モードとDICEのそれぞれで取り込んでみたのだが、DICE使用時には細かい傷や埃こそ消えたものの、素材の凹凸部分がぼやけてしまったり、テキスト部分が欠けてしまったりといった現象が確認された。ペラの一発取込であれば絶大な効果を発揮するのであろうが、私のように取込後徹底的な補正を施す人間にとっては通常モードの方が取り回しがいいように感じられる。