LuaLaTeX本格導入。

久々にTeXに触りたくなり、会社の新しいノートPCにインストールした。
最近はLuaLaTeXがいいってんでこちらを試しているのだが、今の所zwをエスケープしなきゃならん程度で従来のTeXとほぼ使用感は変わらず、従来のパッケージも概ねそのまま使えるので無問題。

しかし、こんだけ某Officeのクソさ加減に嫌気が差している人が周囲にも結構居るってのに、どうしてTeXって使うべき人(特に理論・アルゴリズム系の人達)に使って貰えないのかなぁと常々やきもきしている。
無論、逐一タイプセットするのが面倒臭いってのは認める。ただ、LuaLaTeXなんてDVIもすっ飛ばしていきなりPDFを生成する。あとはリアルタイム更新に対応しているPDFビューアでプレビューすれば完璧だと思うのだが、世の皆様はOfficeの似非WYSIWYG環境の方がいいらしい。

ぶっちゃけ、TeXが普及しない一番の原因はコミュニティを固めている面々と付き合っていく事の面倒臭さなんじゃないかと割と本気で思っている。
異論は認める。が、文句言いたい人にはちょっと第三者的視点に立ってみる努力をお勧めしたい。
私が学生時代初めてTeXに触った時、TeX Q&Aに救われた事すらあれ、見ず知らずの先生方にいきなり罵倒されて面食らう事の方が多かったように記憶している。
とかく、TeXは余りに高尚過ぎて、ちょっとつまらん質問でもしようものなら「質問の仕方を分かっていない」「自分で調べろ」「分からない奴はWordでも使ってろ」てな総攻撃を食らって、その時点で意気消沈してしまうのである。

この雰囲気は、大学時代の教授と学生、あるいは会社の上司部下の関係性に似ているような気がする。
上は表面上「いつでもWelcome」な雰囲気を装っているのだが、いざ下がつまらん質問でもしようものなら…なのである。
とかく、TeXは情報を得辛いのである。私も似非TeXユーザ歴10年以上だが、分からない事なんて山程ある。他のツールであれば英語フォーラムでバンバン質問して逐次情報収集しているが、そんな私でも質問するのが憚られる世界、それがTeXなのである。


具体例を一つ挙げよう。
例えば、全ての基本となるインストール方法。昨今はTeX Liveインストーラを利用するのが一般的(以前は角藤版texinstを使用していた)なようだが、日本語情報を漁り始めるとまず以下のページがヒットする。
TeX Live – TeX Wiki
んで、Windowsにインストールするにはどうすればいいのかなーとリンクを辿っていくとここに行き着く。
Microsoft Windows – TeX Wiki

…この情報量に、普通の人は面食らうんじゃないだろうか?
実際、ある程度TeXの仕組みを分かっているつもりの私が読んでも結構難解な説明である。パッと入れてサッと使いたいだけなのに、いきなりこんな事を言われたりしても困るだろう。

テキストモードでリポジトリを指定してインストールする場合は Windows PowerShell またはコマンド プロンプトから

.\install-tl-windows.bat -no-gui –repository http://ring.airnet.ne.jp/pub/text/CTAN/systems/texlive/tlnet/

を実行します.

でもって、どうやらinstall-tl-windows.batをダブルクリックします.ってのが本題らしいのだが、そもそも私が拾ってきたISOイメージにはinstall-tl-windows.batなんて見当たらなかった。
ダメじゃん。
尚且つネットワークインストーラ推奨じゃ〜ISOイメージは最終手段じゃ〜とか言われても、私のように会社のセキュリティでガチガチに固められている環境で細々と研究活動せにゃならん社畜の場合はそもそもISOイメージ一択なのである。

でもって、実際にインストールしてみた際の手順と言えば…。

  1. 実行ファイルを開く!
  2. フルインストール!!
  3. 暫く待つ、以上!!!

何だ、超カンタンじゃん。
さっきの長ったらしい説明、一体何だったの??

そこで、世の先生方は仰るのだろう。
「研究者たる者、全ての仕組みを知り尽くした上でツールを使うべきだ。」

…ぃゃ、そんな事言われてもCPUの仕組みもLCDの仕組みもましてやキーボードやレーザマウスの仕組みも全部が全部知り尽くしてPC触っている人なんてこの世界に数える程度だろうし、大体それ本質じゃないし。
そんな面倒臭い事言われたら、速攻でWordに逃げるでしょjk
そもそも、導入のハードルが高過ぎる事がTeXの普及を阻んでるんじゃないのって問題提起に対する回答には全然なってない。

そうかと思えば、こんな持論を堂々展開している輩も居て目を覆いたくなる。
僕が TeX を使うのを辞めた3つの理由 – ++C++; // 管理人の日記
コメント欄で色々指摘を受けた揚げ句そもそも目的がいわゆる「釣り」なので、文体はわざと(普段自分も書かないくらい)挑発的に書いていますなんて逃げ口上は最早通用しない。出来れば避けて通りたいタイプか。

ざっくり私の持論を述べれば、\labelなどの参照系コマンドが確実に動作してくれる事、TeXを使用するメリットはこれに尽きる。
目次も索引も絶っっっっっ対に壊れないし、あとは狙った数式が確実に書ける。
スタイルとか、上付き下付き太字その他混在してきたら投稿まで維持出来る自信ゼロだし。
私にとっては、前述の話題だけで既にTeX以外の選択肢を採るなんてあり得ないのである。


ちょっと話が逸れてきたので、本題に戻る。
今回久々にTeXに触り、ちょっと気になる現象を発見したので質問してみる事にした。

日本語のTeX Forumで質問してみようかと思ったらいきなりユーザ登録必須だとか言われるし、それでいて先生方の御説教を食らうような事があればもうやってらんないので、海外の登録不要なForumに質問を投稿してみた。
すると翌朝にはヒントが寄せられていて、それを参考に修正してみたら思うような結果が出た。
折角なので、修正個所の説明付きで「Thanks.」とお返事。

んで、今日その記事を見返してみたら肝心のレス部分がdeleted ## hours agoとか。
よくよく見たら、回答に直接関わってない連中が「The Post Answer button should be used only for complete answers to the question.」だの「Please don’t add “thank you” as an answer.」だの書いている。

ゴメン、今のサイトデザインでいきなりそれを要求するのはムリだと思う。
大体そんな注意、何処にも書いてないじゃん。
アンタ等標準のルールをいきなりこっちに要求されても困るのですよ。
でもって、いきなりコメントを削除するのはやり過ぎってもんだ。
少なくとも、其所には後人の参考になるかも知れない情報が含まれているのだから。


今回の一件(?)で、日本にせよ海外にせよTeXコミュニティってなーんか棲み難い世界なんだなぁと改めて感じた。
先輩諸兄、もうちょっと巧く普及する方法を考えてみやしませんかね??

折角のCoolなツールが、泣いてますぜ。

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