PowerShot G7の樽型収差を補正してみるテスト。

CHDKも随分使い慣れてきたのだが、残念ながらDxO Optics Pro v5.3.7 (7444) ではCHDK経由で吐き出されたPowerShot G7のDNG画像がマトモに処理出来ない。
我が家の環境ではCamera RAWでの現像を余儀なくされている状態なのだが、色補正はさておきディストーション等の諸収差はDxOみたいにフルオートで除去出来る訳では無い。

てな訳で、ディストーションだけPhotoshopのレンズ補正フィルタで取り除いてやる事にした。
とは言うものの、撮影時のズーム量によっても補正値は異なるだろうし、そもそも何を基準に補正してやれば良いのだろうか?

そこで、Illustratorでさっくり20mm間隔の格子(線幅1mm)を作成して、これを撮影したデータを基に必要な補正量を求める事とした。
千奈美に、作成した格子マップってのがこちら(PDF形式、約2kB※軽量化して再アップしました)。あくまで個人利用目的で作成した為、全然凝ってない点は御容赦願いたい。
流石にA4ペライチだと広角側が厳しいので、実際にはこのマップをA4サイズで2枚出力してくっつけたものを利用した。

んで、撮影の様子はこんなカンジ。
手持ちの三脚が貧弱&足場が悪かったので、特に望遠側では何度も撮り直す羽目になった。きちんと足場の安定している所で、出来れば市販のレリーズを使用して撮った方が望ましい。レリーズはなかなか手に入れ難いと思うので、10秒タイマーを併用するというのが一番手っ取り早いと思う。
また、水準器もあった方が便利。今回は随分前に遊びで購入したハクバ辺りの安物水準器を使用したのだが、実際は微妙な水平の加減が全然分からず、微調整は背面液晶のグリッド基準で行った。

■テストその1(@7.4mm

まずは最も広角寄りの7.4mmで撮影。
流石に樽型収差がキツく、基データを拡大してみると周辺部の倍率色収差もかなり目立つ。
但し今回は、拡大しないと見えないような色収差は一旦無視。樽型収差だけに注目して補正処理を行う。

こちらがレンズ補正フィルタで‘ゆがみ補正: +5’を施した後のデータ。基が基だけに、かなりの補正効果が得られている。
一方、多少強めに(パラメトリックな)ゆがみ補正を行っている為、外周部分では線が若干うねってしまう結果となった。

■テストその2(@9.0mm

続いて、若干ズームを利かせて9.0mmで撮影。
人によって感覚に差はあるだろうが、矢張り気になるレベルと言うべきゆがみが発生している。

こちらは‘ゆがみ補正: +3’でそこそこ満足行く結果が得られた。
外周部のうねりも、さっきよりは少なく仕上がっている。

■テストその3(@12.7mm

更にズームを利かせてみる。
最初の例と比べると明らかに樽型収差は小さくなっているが、矢張りピクセル等倍だと多少気になってしまう。

今回は‘ゆがみ補正: +1’で充分満足行く結果が得られた。

■テストその4(@18.9mm

ここまで来ると、G7如きの解像力では全く分からないレベルに落ち着いてしまう。
実際にはズーム域一杯まで更に数ステップ分テスト撮影を行ってみたのだが、どれも補正不要なデータばかりだったので、ここでは割愛する。

てな訳で、焦点距離〜18mm程度で撮影を行った場合については、形状をきっちり出したい場合はレンズ補正を用いる事である程度対応可能だという事が分かった。
ついでに周辺光量落ちについても確認したいと思ったのだが、流石に自宅の蛍光灯下で周辺光量落ちを定量的に確認するのは少々難がある。特に光量落ちは残っていた方がそれらしいと感じられる方も少なくないと思うので、敢えて推奨値を掲げても余りメリットは無いと思うのだが。

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